Donald Patzインタビュー

フローラ・スプリングス・ワイナリーで、アシスタント・ワインメーカーであったジェームス・ホールとナショナル・セールス・マネージャーであったドナルド・パッツが将来の進む道を共有するということに決めた結果がこのパッツ&ホールです。
ワインは土地を表現するという哲学の下、自社畑を持たず、ワインコレクタ垂涎の単一畑ブドウを使用し、最高級のピノ・ノワールとシャルドネを作り続けています。 

オレゴン大学で生物学を学んでいた1970年代、ヒュー・ジョンソンの影響を受け、ワインに目覚める。その後、テキサスのレ・ザミ・ドゥ・ヴァン・ワイン・グループのディレクター、大手ワイン卸会社のセールス・マネージャーを経て、1985年、フローラ・スプリングス・ワイナリー&ヴィンヤードのナショナル・セールス・マネージャーとなる。
ドナルドはそこでアシスタント・ワインメーカーとして働いていたジェイムス・ホールと出会い、1988年、ドナルド、ジェイムス、アン・モーゼス、ヘザー・パッツの四人でパッツ&ホールを設立。
その後も設立したばかりのジラード・ワイナリーでセールス&マーケティング・ディレクターとしても活躍し、若いワイナリーを軌道に乗せるサポートを行う。
現在ドナルドはフルタイムでパッツ&ホールの業務に携わり、アメリカ国内のレストランや小売店の営業に専念。
 

武村: 私がニューヨークでソムリエをしてたことは、前にも話したけど、私とパッツ&ホールのワインとの出会いについては話をしてなかったよね。ヴェリタス(Veritas)  の前は、トライベッカ・グリル(Tribeca Grill)  というレストランで働いていたんだ。そこでオンリストされていたのが、1998年のパッツ&ホールのウールジー・ロード(Woolsey Road)だった。それを飲んだ時に、カリフォルニアのシャルドネのポテンシャルの高さをはじめて感じたんだよ。

ドナルド:  1998年のウールジー・ロードね、懐かしい。君の見た目が若いから、そんな昔のワインを知ってる人だとは思わなかったよ。(笑)

武村: (笑)、光栄です。2000年の話だから、就職して1年目だよ。

2010年ダットン・ランチで乾杯

2010年ダットン・ランチで乾杯

ドナルド:  ウールジー・ロードかぁ。もう今は造ってないんだけど、今でも造ってたらよかったな~、と思うワインだね。マーティネリ家  所有の畑なんだけど、あそこのブドウから造ったワインは最高だったよ。

武村:  だよね。私もすごい感動したから、しかもあまりデキの良くない98ヴィンテージだったからね。でも今のポートフォリオは大分変わったよね?

ドナルド:  1998年からは大分変わったよ。新しく造り始めた畑もあれば、様々な理由で造らなくなった畑もある。ウールジー・ロードを造らなくなった理由はね・・・

武村:  マーティネリ家が自分でワインを造り始めたから(笑)?

ドナルド:  いや、そうじゃなくて、ある時、ウールジー・ロードと一緒に、ジオ・トニー畑のブドウも一緒にどうかって、言ってきたんだ。両方ともマーティネリ家所有の畑で素晴らしいんだけど、どちらかというと、ジェームスと私はジオ・トニー畑の方がワンランク上の畑だと信じてたんだ。
パッツ&ホール的には、もう一つ畑を増やす事ができなくて、でもどっちかを選ぶのは難しかったから、両方とも買って、ワインを混ぜてマーティネリ・ランチという名前で販売していいかと、相談を持ちかけたんだ。
でもやっぱりマーティネリという名前を使うのはちょっと、ということになって、結局どちらかを選ばなくてはいけない状況になったんだよ。結果、ジオ・トニーがやっぱり良いということになり、ウールジー・ロードを手放さなくてはならなくなった。

ドナルド・パッツ氏

ドナルド・パッツ氏

武村:  そうなんだ。ワイン業界のビジネス面って、あまり公にでないから、聞いててすごい興味あるなぁ。

武村: ドナルドは昔、フローラ・スプリングス  で働いていたんだよね。

ドナルド:  そうなんだ。僕にとっては、人生の転機だったのかも。これは、仕事を始めてから知ったことなんだけど、自分に前任がいたらしくて、その人は6ヶ月ですぐに辞めちゃったらしいんだよ。
だから、僕が後任として入ってきたときに、ワインメーカーに挨拶をしにいったんだけど、「どうせすぐに辞めるんだろ」的な目でみられて、あまり相手にしてもらえなかった。でもほら、自分がこれから売るワインなんだから、どうにかして、勉強しなきゃいけなかったし、畑や醸造方法などの事も全部知っておきたかった。だからすごい困ったんだよ。
それである日、仕方なく自力で勉強を始めようと思って、セラーの樽やタンクを眺めてたら、部屋のはじっこの所に変な人がいたんだよね(笑)。なんだか、ヒゲも3、4日剃ってないかんじで、髪の毛もぐちゃぐちゃで、二日酔いなのかしらないけど、顔色も悪くて怪しい人・・・

武村: リアルに二日酔いだったのかもよ(笑)。

ドナルド: おそらくそうだね(笑)。でも、その怪し人間こそ、将来自分のビジネス・パートナーにもなる、ジェームス・ホールだったんだ。

マイケル: じゃージェームスとはフローラ・スプリングスで出会ったんだね?

ドナルド: そうなんだ。なんとも不思議な出会いだったけど、彼は当時アシスタント・ワインメーカーをしてたんだ。 彼と色々な話をしていくうちに、「ワイン」というものに関しての価値観や思い入れが、すごく似ていることに気づいたんだ。
その後、ジェームスはフローラ・スプリングスを辞めてホーニッグ・セラーズ  のワインメーカーに就任するんだけど、お互いに自分のワイン・ブランドを作りたいという思いが日に日に増してきて、彼はワインを造る才能があるし、自分は長年やってきたマーケッティングが得意だったから、彼が造った素晴らしいワインを売る自信があった。 だから、一緒にやってみようということになったんだ。

左から、武村、マイケル・クー、 (ホールスタッフの方、笑)、ドナルド・パッツ氏

左から、武村、マイケル・クー、 (ホールスタッフの方、笑)、ドナルド・パッツ氏

武村:  そこからパッツ&ホールが始まったんだね。

ドナルド:  そうだよ。ただ単に美味しいワインを造ってるというだけじゃ、売れないからね。お互いに足りないところを補える関係なんだ。

武村:  なるほど。で、ドナルドはその後ジラード  でも働いていたんだよね?

ドナルド:  そうさ、2年半くらいだけどね。

武村:  フローラ・スプリングスもジラードも共に、ボルドー系の品種が多い生産者だよね?それがパッツ&ホールではシャルドネとピノ・ノワールだけになったんだ?

ドナルド:  もちろん知ってると思うが、フローラ・スプリングスもジラードも両方ナパ・ヴァレーに拠点を置く生産者だから、ボルドー系に専念するのが理にかなってたんだ。どちらもシャルドネは造ってたけどね、赤はやっぱりカベルネ・ソーヴィニヨンが有名だったかな。
パッツ&ホールを始めたときは、畑を購入する予定など全くなかったから、ラザフォード辺りの畑からカベルネを造らなきゃというプレッシャーが全くなかった。

武村:  じゃ、シャルドネとピノ・ノワールに特別な気持ちを抱くようになったのはいつ頃から?

ドナルド:  シャルドネに関しては、逆に好きにならない方がおかしいよ(笑)。
シャルドネに囲まれて仕事をしてるし、飲んで美味しいし、楽しいし、友人との集いは必ずシャルドネで始まるからね。シャルドネは以前からも、これからも、ずっとカリフォルニア・ワインにおける「王女」的な存在だよ。
それに、パッツ&ホールを立ち上げた当初は、やっぱり「売りやすい」ワインを造る方が、リスクが低かったからね。人気のあったシャルドネは黙ってても売れていったし、成功する品種だという自信があった。
ピノ・ノワールを始めたのに関しては、そこまで直感的じゃなかったけどね。
やっぱり「売りやすい」カベルネ・ソーヴィニヨンがいいのかと迷ったりもした。新しくワイナリーを始めるということは、すでに「大きな海の中の小さな魚」的な無名な存在だったから、周りがみんな造っているカベルネ・ソーヴィニヨンで勝負をしても、勝ち目がないような気がしてた。
ほら、例えば、オーパス・ワンみたいな有名な生産者と競合しても、勝ち目がないだろ?
だから、何か違う事で勝負を仕掛けようと思った。その違う事が何かは、定かではなかったんだけどね。
正直、ピノ・ノワールという品種で勝負ができるか、不安だったな~。80年代後半の話だけど、当時、私が飲んだピノ・ノワールは、全部が全部、本当に・・・

2007年ピゾニをテイスティング

2007年ピゾニをテイスティング

武村:  まずかった?(笑)

ドナルド:  無味無臭だったということにしておこう(笑)。だから、ピノ・ノワールという品種に対してのイメージがとにかく悪かった。そんなワインを自分たちで造るなんてありえなかった。
シラーも考えたさ。でも、速攻却下したけどね。シラーは売りにくすぎる!(笑)
武村:  そうだよね。シラーにしなくて良かったね。シラーだったら、うちも輸入してないかもね。(笑)

ドナルド:  ダメダメ、シラーは昔から、売るのが大変なんだ。(笑)
まぁ、私がジラードを辞める頃、1995年くらいかな?カリフォルニアにおける、ピノ・ノワールというブドウのイメージが変わり始めてたんだ。ちゃんとした穂木を使いはじめて、ENTAV  に認定されているディジョン・クローンが植えられ始めた。
フィロキセラ(ブドウの樹に壊滅的被害を与えたブドウネアブラムシ)の時代も終わりに近づいて、カリフォルニアの畑は、新しいブドウの樹で植え替えられていた時代なんだ。それに伴い、出来のあまりよくなかったピノ・ノワールのほとんどが、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロに植え変えられた時代なんだ。
その最中、ピノ・ノワールに拘りを持っているグロワー(ぶどう栽培農家)は、そのまま新しいピノ・ノワールで植え替えたりで、ピノ・ノワールが本当に好きでやってる人しか、ピノ・ノワールを扱わなくなった。だから、フィロキセラの影響で、だめなピノ・ノワールがなくなり、本当に良いとされる畑だけが残ったといっても過言ではないね。
それを見ていた私たちは、ピノ・ノワールという品種にどんどんと魅了されていったんだ。
カリフォルニアにおける、ピノ・ノワールに、「なにか」がおこるであろうと信じてね。
ピノ・ノワールだったら、当時いわゆる「大手」もいなかったし、他の競合と同じスタートラインに立てると確信したんだ。

武村:  じゃぁ、ピノ・ノワールに関しては、絶対にこれ、という訳でもなく、ビジネス的な面も、考慮した上での選択だったんだね。

ドナルド: どうかな、素晴らしいピノ・ノワールを造りたかったのは間違いないよ。でも、本当にできるかが心配だったし、自信があったわけでもなかった。だけど自分たちを信じて、ちょっとでも光が見えたから、よし、やろう、と決めたんだ。

口内炎が痛くて笑顔が引きつる武村、汗

口内炎が痛くて笑顔が引きつる武村、汗

武村:  その当時は誰のピノ・ノワールが有名だったの?

ドナルド:  やっぱりウィリアムズ・セリエム  が群を抜いてすごかったね。
マーカッサンとかもあったけど、生産量がとても少なくて、ロバート・パーカー以外は誰も試飲したことがなかった。キスラー  も同じかな。でもやっぱりウィリアムズ・セリエムは別格だった。

武村:  カリフォルニアでは単一畑がトレンディだけど、その中でもブレンドしたワインを造り続けている生産者もいるよね?パッツ&ホールでは、なんで単一畑なのかな?

ドナルド:  よく聞かれることなんだけど、パッツ&ホールの単一畑のワインを一度に並べてテイスティングしてもらえば、なぜうちらが、単一畑に拘るのかを分かってもらえると思う。畑それぞれの違いは歴然だよ。
我々は、それぞれの畑が個性を持っていると信じている。だから、単一畑のワインを造り続けてるんだ。それに、畑のテロワール、いわゆる土壌の種類においては、ソノマ・カウンティだけでもフランス全土より多いんだよ。

武村:  へぇ、知らなかった。
ドナルド:  そうさ、地質学上、カリフォルニアはとてもユニークなんだよ、特にソノマ・カウンティはね。長年かけて、どの土壌にどのクローンが適しているかと研究されたおかげで、個性のある素晴らしいブドウが育つようになった。カリフォルニアでも十分テロワールが語られるのさ。

武村: ジャン・ミン(ドナルドのフィアンセ)は普段どんなワインを飲んでるの?

ジャン・ミンさん

ジャン・ミンさん

ジャン・ミン: やっぱりワインと言えば、ボルドーよ。でもドナルドに出会ってからは、好みも変わってきたわ、笑。

武村: ドナルドといると、いつもパッツ&ホールなの?

ジャン・ミン: いつもというわけではないけど、そうね、頻繁にパッツ&ホールのワインを飲むわ。いまではパッツ&ホールが一番よ、笑。 そうじゃなくても、立場上、そういわなきゃ、ドナルドに怒られちゃうわ、笑。でも、パッツ&ホールのピゾニは群を抜いていいと思うわ。 ドナルドと出会う前は、パッツ&ホールのワインなんて、ほとんど飲んだ事がなかったの。でも、ピゾニには本当に感動したわ。 パッツ&ホールのワインで一番高いということも知らなかったのよ!

武村: 美味しいワインを選ぶ才能があるんだよ!

ドナルド: 本当に困るんだ。ほら、どこに連れて行っても、彼女が気に入る物は、必ず一番高価な物なんだよ!(苦笑)だからピゾニが一番好きだと聞いたときも、「でしょうね」って思ったさ。笑

武村: パッツ&ホールで私が一番好きなワインは、ジェンキンズ・ランチかな、でも日本には分けてもらえないんでしょ?笑

ドナルド: 私も好きだ。美味しいよね。ごめん、収穫量が本当に少なくて、日本の皆様にシェアできないのが、非常に残念だよ。

武村:  他にワインを造ってみたい畑とかある?

 

ドナルド: そうだなぁ。「これ」という畑はないけど、アペレーションとして、興味があるのは、サンタ・リタ・ヒルズかな。あの地域のワインは本当に素晴らしいと思うよ。だから、自分たちでもサンタ・リタ・ヒルズのワインを造れるのであれば、きっと楽しいだろうな。

武村: グレッグ・ブリューワー  に電話してみる?笑

ドナルド: グレッグもすごいけど、他にもいるよね。そこのテロワールがどれだけ素晴らしいか物語っているんだよ。でもちょっと距離的にワイナリーから遠すぎるかなぁ。あまりにも遠いと、グロワーとコミュニケーションがとりにくいからね。品質管理の面で大変そうだ。

マイケル: でもピゾニもワイナリーからは、離れてるよね。どうやって、管理してるのかな?

ドナルド: そう、ピゾニも遠いんだよ。でも、ピゾニからは、他の生産者もブドウを買ってるし、その生産者たちとも親友だから、自分がいかなくても、畑の状態とかをチェックするよう、お互いに頼みあえたりするから、比較的楽なんだよね。それに、ピゾニとは、長年の付き合いだし、信頼してるから大丈夫さ。

マイケル: オレゴンはどう?

ドナルド: オレゴンは長年住んでたことがあるんだ。でも、やっぱり遠過ぎるから、現実的じゃないかな。

武村: 自社畑の予定とかはあるの?

ドナルド: 会社的には、ないかもね。でもパッツ&ホールとしてではなくて、個人的に買うというのであれば、検討するかも。ワインメーカーのジェームスも、パートナーのアン・モーゼスも共に、個人所有の畑を持ってるからね。

武村: 最近、自分が注目している生産者とか、ワインメーカーとかは、いる?

ドナルド: う~ん。そういうのは、勉強不足で分からないかも、笑。でもウェットストーン・ワイン・セラーズ  のジェイミー・ウェットストーンが造るワインは、素晴らしいと思う。さっきジェンキンズ・ランチの話になったけど、彼も少量だけど、ジェンキンズ・ランチを造ってるんだよ。

武村: 家でワインを飲むときは、やっぱりパッツ&ホールのワインが多いの?

ドナルド:  いや、そんなこともないね。最近のマイブームは、一緒に飲んでる人の誕生年のワインを仕入れて、一緒に飲むことなんだ!古酒に関しては、ほとんどがカベルネ・ソーヴィニヨンだけどね。カベルネ以外で美味しかったのは、1975年のロバート・モンダヴィのピノ・ノワールさ。それも、リザーブでもスペシャル・キュベでもなんでもない、普通のピノ・ノワールさ!

武村: そうだよね。当時のカリフォルニア・ワインは、本当に長寿なんだよね。

ドナルド: 一つだけ、忠告したいんだけど、古いワインに関しては、昨今人気がある生産者の昔ワインを探しても、美味しいワインに出会えないということだ。今人気がある生産者は昔は人気が無かったんだから!

武村: たとえば、ポール・ホブズ  というブランドは存在しなかったもんね、笑。

ドナルド: そうだよ!オーパス・ワンも79年からだかね。60年代・70年代前半・なかばのオーパスは存在しないんだから!

武村: カリフォルニアのオールド・ヴィンテージは、私も大好きで、ヴェリタスで働いていた時にお客様にわけていただいた、60年代・70年代のマヤカマス  が特に印象に残ってる。

ドナルド: 私もマヤカマス、好きだよ!!買える機会があれば、必ず買ってたワインだよ。
この前、私の友達が家に来たときに、彼女の誕生年、1973のワインを探す機会があって、昔、ハイツ・セラー  で働いていた友人に電話をして、1973年のワインがないか、問い合わせてみたんだ。
ハイツ・セラーは、いまでこそ、スーパーワイナリーだけど、当時は無名でね。会社のポリシーで、社員全員がご褒美として、その年のワインを自分で瓶詰めして、数ケース持ち帰って良いというルールがあったんだ。
その友達が、自分用に瓶詰めした、73年のハイツ・セラー マーサズ・ヴィンヤードのマグナム(容量1.5Lで通常のワインの2倍、熟成も通常のワインよりも遅い)が、2本残っているというから、ビックリ!!しかも、ハイツ・セラーは、公式にはマグナムはリリースしていないんだよ!もちろん、マグナムのハイツを持っているのは、当時の従業員だけってことさ。

武村: 「かなりの」掘り出し物じゃん!

ドナルド: そうだよ!何度も言うけど、1973年のハイツ・セラー マーサズ・ヴィンヤード、しかもマグナムだよ!思い出すだけでも興奮するよ!

(余談:70年代のハイツ・セラー マーサズ・ヴィンヤードは、今世紀最高のカリフォルニアワインと言われた逸品で、特に1974年物はオークションで1本何十万円もするトップワインである)

早速、1本譲ってもらえないかと交渉したら、「ダメだ」というんだ。当たり前だと思ったんだけど、その後、「1本だけじゃダメだ、2本両方もってけ」というんだ!
結果、申し訳ないくらいの少量のパッツ&ホールのワインと交換してもらえたのさ。持つべき物は友達だろ?
その1973年のハイツ マーサズ・ヴィンヤードを彼女に見せた時には、興奮のあまり、彼女が泣き出しちゃってさ。 だから、これ、やめられないんだよね!
話は長くなったけど、家では、ドイツ  オーストリア  のリースリングをよく飲むよ。大好きなんだ。もちろん気分によっては、シャンパン  もいい。美味しさと面白さを兼ねて持ってるのは、スペイン  のワインだね。ワインなら、なんでも好きさ。

武村: パッツ&ホールでは、古いワインのライブラリーとかはあるの?

ドナルド: だったらいいんだけどね、笑。

武村: 全部飲んじゃった?

ドナルド: ま、全部じゃないけど、ほとんどね、笑。ビジネス的に売るのが大切だったから、ちゃんと売ったというのが、本当のストーリさ。でも、少量、残しているよ。自分たちが「生んだ」ワインを、何年後かに味わえるのは、やっぱり楽しいからね。

武村: パッツ&ホールのワインで、今飲み頃のヴィンテージはある?

ドナルド: 2001年と2002年が特に素晴らしいよ。「古いのはちょっと・・・」という人は、2005年がおすすめかな。 ・・・・んで、ヨシの誕生年は?

武村: 残念ながら、1977年なんだ。ポートと、頑張ってカリフォルニアかな?

ドナルド: そうだねぇ。ポートは素晴らしい年だよ。カリフォルニアは、ちょっと「固い」イメージのワインだね。乾燥した年だったから、タンニンが目立つ、ちょっとハードなワインだよ。

武村: 誕生年ということで、1977年産のカリフォルニアワインは、いくつかトライしたよ。でも一番「マシ」だと思ったのは、ダイアモンド・クリーク  のヴォルカニック・ヒルかな?

ドナルド: 彼の最初の頃のワインだね。確か1972年が最初のヴィンテージだから、まだブドウも若かったんじゃないかな。
1977年ね・・・・・・あ、バージェス・セラーズ  は美味しいよ!当時、めちゃくちゃ人気あったワイナリーさ。今は、無名だから、誰も信じてくれないけど、ヨシなら分かってくれるでしょ?

武村: もちろん。探してみるよ!

ドナルド: それと、1977年のジョーダンも美味しいよ。去年、飲んだ。モンダヴィも1970年代は素晴らしい。

ジャン・ミンさんとiwine遠藤

ジャン・ミンさんとiwine遠藤

武村: 当初は今とワインの造り方も違ったんだよね、やっぱり?

ドナルド: そうだね、今は、完熟したブドウ(26とか28ブリックス)を収穫するんだけど、昔は22.5とかで収穫してたから。だから当初のワインはハーブの香りがしたり、今のように、果実味たっぷりなワインじゃなかったんだよ。
REIKOは何年産まれ?(この話題、かなり好きな模様)

遠藤: えーと、197xです、笑。(事情により大事なところはカット)

ドナルド :へー、じゃ、ボルドー、ポート、カリフォルニア、良いワインがたくさんあるね。
(さて何年でしょう!)

遠藤: じゃぁ、次回、ドナルドさんのお宅に伺ったときは、よろしくお願いします。(笑)

武村: 70年代はストーニー・ヒルズ  という白ワインも美味しいよ!特にリースリング。

武村: 最後に、パッツ&ホールのワインとはどんなワインか、教えてくれるかな?

ドナルド: シャルドネとピノ・ノワールを造っているというだけで、ブルゴーニュと比べられるのが一番頭にくる、笑。
パッツ&ホールのワインは、あくまでもカリフォルニアワインであって、ブルゴーニュではないし、ブルゴーニュスタイルを唱ってもいない。
パッツ&ホールはカリフォルニアという産地において、最高のシャルドネとピノ・ノワールを造ろうとしている生産者さ。
それだけは、頭に入れて飲んでもらいたいね。

以下、現在iwineで販売中のパッツ&ホールのワイン。期間限定でポイント10倍キャンペーン実施中です。

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